Lila

アナと雪の女王のLilaのレビュー・感想・評価

アナと雪の女王(2013年製作の映画)
3.9
ディズニー100周年企画として、映画館上映してたので10年ぶりに観てきました。当時はふむふむってレベルで「流行ったなあ」ぐらいの印象でしたが、時を経て、歳を重ね、いまの映画熱マインドで見たら、完成度に驚き!内容はもちろん、エンディングはかなりアメリカンに仕上げてますね。

ディズニーのプリンセス映画を前フリにして、白馬の王子様と出会って恋に落ちるパターンのネガティブ面を描き、姉妹でも、オラフとトナカイでも、どんな形でも愛は愛であるという教育にシフトしたい思いは伝わります。シンデレラの時、ネズミ達が置いていかれて寂しかったので、報われました。

昔と同じように、馬やトナカイが友達のように描かれていて、アドベンチャーシーンの安心感が半端ない。アラジンのアブーとか、ジャスミンの虎とか、シンデレラのネズミとか、あの時代のファンタジーも残してくれるディズニー感。ペットも動物も家族であり、友人でもある愛は昔ながらです。

女の子が人命救出する冒険の工程は、上手い塩梅で好きです。最近ディズニー作品でありがちな男性を無能化せず、クリストフが経験と知識あって、2人で助け合う構図はリアリティあります。アナはお城のプリンセスですから。

最後は姉妹愛=真実の愛として、アナがエルサをとったことが新しいディズニー!って感じでしょうか。走ってきてくれてるクリストフは全面信頼して、殺されかけてる姉を救ったと捉えてるので、両方に愛があったと思います。自分の兄弟姉妹を想像して、私ならそうするかなあとも思ったり。

プリンセス要素のキュートさは残しつつ、ドレスは紫や緑でお洒落に進化させてるのは、かなりの改革。眠れる森の美女でブルーかピンクかで揉めた世界から進んだものですw

エルサ役のイディナ・メンゼルはミュージカルのドンで、WickedもRENTも何もかもやってるので、「イディナ」ブランドの前面ゴリ押しに感じてしまいました。そもそも声色が全然エルサにフィットしていない気がします。イディナを知らない人の感想をぜひ聞いてみたいです。

アナ役のクリスティン・ベルも歌えてる女優って範囲から抜けず、高音はキツイものがあって、大事なミュージカルシーンは気が散りまくりました。

勝負してたディズニーの安パイ作戦での声優キャスティングだったと思いますが、声とキャラクターがシンクロしていないように感じたので、ここは吹替一切見ない私でも、松たか子と神田沙也加に軍配ですね!

森の妖精シーンは不要だったので、色んな御事情を感じます。ハンスは急に悪人に豹変し過ぎですよね。アナにお城を任されて初めて得た権力に酔いしれた結果、悪になったって方が大人的には自然に感じました。2人で歌ってた時は、その気だったと信じたいのもあるんです。そんな乙女心を許してくださいw
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