ロクシ

アナと雪の女王のロクシのレビュー・感想・評価

アナと雪の女王(2013年製作の映画)
4.8
この作品の重要な点は、氷の魔法を解く方法とは何なのか?ということ。
エルサの魔法の暴走を心配した父親は、「扉を閉めること」、心を閉ざすことを
エルサに求める。しかし、心を閉ざして自分を押さえつけるほど、魔法は暴走する。

氷の呪いにかかった王国とアナ。呪いを解くには「真実の愛」が必要と言われ、従来のプリンセスセオリーと同じように、ハンス王子からのキスを求めに行く。
(ハンスについては省略)

しかし、最後に瀕死のアナは、愛されている人からのキスではなく、自分を犠牲にしてエルサを守ることを選ぶ。
彼女が選択したのは、受動的な愛ではなく自らの無償の愛だった。
結果、それがアナにかけられた氷の魔法を溶かす。そして、エルサは愛することが呪いを解くことだと気づく。まさにlove is an open door !
真実の愛とは、キスを待つ受動的なものではなく、自分から人を愛し行動することだった。

エルサは父や母やアナに愛されてはいたが、魔法を恐れ、自らの心の扉を閉ざし続けていたので、自分から人を愛することができなかった。

その元凶は真実の愛が魔法を解くと最初に父王に教えていなかったドワーフのような気もするが…

このようなメッセージを押し付けがましくなく、美麗なグラフィックと素晴らしいミュージカル、コミカルな冒険の中にナチュラルに入れているのがこの作品の1番好きなところ。
もちろん歌や冒険で子供も楽しめるし、大人も秘められたメッセージに感動することができる。
従来のディズニー作品の王子様に愛されるプリンセスが幸せという偶像を否定してくれたのが新鮮だった。
(モアナに関してはもはや王子様すらいないのでちょっとエンタメ性がなくなってしまったんだけど…)
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