シネマスナイパーF

アナと雪の女王のシネマスナイパーFのレビュー・感想・評価

アナと雪の女王(2013年製作の映画)
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改めてサントラを聴くと嘘みたいにすごい作品だと思う
これを使えればそりゃヒットする
どうしても「曲がいい」で片付けたくなる映画
それだけじゃないのはわかってるけど
僕この映画言葉にならないぐらい好きなんですよ


話のバランスめちゃくちゃ悪いけどやりたいことのバランスはいい
とにかく曲がいいからそこで持っていけるのは素直に素晴らしい
そして、曲がないと大したことなく感じても仕方ないのにこんだけ魅力的な映画になってるってことはミュージカルとして完璧っちゅーことだ

明るい曲が多いけど、どの曲にも悲しい背景が横たわっているのがまた素晴らしい
冒頭の雪だるま、可愛らしい感じで始まったと思ったら絞り出すような心の声で終わるというなんなんだこれはというクオリティ
長い間抑えていた外への衝動がつい流れ出してしまうFor the first time in forever、そして孤独を空元気で全力肯定するLet it goなど、どれも珠玉のメロディの超弩級の名曲たち
こんなにもストレートに感情に語りかけてくる曲がひとつ映画に固められているなんて反則だぞ

ストーリーは男女の愛ではないところに比重を置いているというかハッキリとそっち方向で悪役が出ている
一応悪役という悪役がいなくても成り立つ話なのに敢えて出している
ただそれで気を悪くしないで欲しいという配慮がバッチリでもある
女性の生き方は一元的じゃないし、男性も誠実ならきっと報われると
もちろん完璧な話ではないが


子どもの絵本みたいな話だけど、どの年齢層相手だろうと思い切り胸ぐら掴んで確実に重い腹パンチを喰らわせてくる、ちょっと荒っぽいけど間違いない力を持った映画