パンケーキレンズ

シークレット・オブ・マイ・マザーのパンケーキレンズのレビュー・感想・評価

4.0
フランスから、アメリカへ、メキシコへ・・・
母の遺品を手に、雑踏の中へと迷い込む、自分探しの物語・・・

サスペンス的な部分もあるので
それだけでも、興味本位で観れますが
それ以上に
“孤独な存在”として描かれる主人公に
思いっきり見入ってしまいました

記憶の断片として挟まれる、母とのほんの少しの思い出が
後になればなるほど、心を揺さぶりますね
「お母さんが死んだら、悲しいな」・・・とか
抱き合う親子とか・・・

どうしようもなく、切ないっ!

思い出としてしか登場しない母親ですが
彼女が、どんな気持ちで、どんな思いで
アメリカで一人で暮らしていたのか・・・
それが、息子の心、観る者の心に迫ってくる瞬間
それは、親子の絆が生まれる瞬間でもあり
過去と現在が繋がる瞬間でもあり

主人公の新しい人生が始まる瞬間でもあります

ファイルや、ロッカーの鍵
小物を効果的に扱いながら
主人公が、最終的に行き着いた場所を
抽象的に描く描き方はとても好きですし
印象的なラストに仕上がってるのは、やっぱり

ストリッパーのローラは、実は・・・

っていう、少しひねりのある展開に尽きますね

祖国とか望郷という、手がかりとなるキーを丁寧に扱って
親との繋がりや、自己の確立というテーマに、静かに、でもズバっと踏み込んでいる

なかなか、趣きのある作品です♪

こういうの、好き!!

ローラの、ストリップ登場シーンが、これまたイイ!