どう見てもバカ映画なのに伏線がいちいち丁寧だし、展開が熱かったりするのでそこらのアメコミ映画よりよっぽどヒーロー映画してるのが面白すぎる。
大抵のヒーロー映画は主人公がパワーを得るのがほとんどなのに、これは寧ろか弱いハエになるという。この展開自体がとち狂ってるにも関わらず、大きさは問題ない、ハートだよと言わんばかりの謎の説得力。
インド映画特有のダンスシーンなんかもあって主人公がハエになるまでが結構長いが、ハエになってからはもうずっと楽しいので満面の笑みが溢れる。
正直、この映画の一番貢献してるのはハエの主人公より悪役の社長だと思う。
最初のうちはそこらの悪役と大差ないが(とは言いつつ真っ赤に目を充血させて怒るなどこの時点から割とおかしい)ハエの嫌がらせで精神をやられたのかどんどん狂って行き、果てには謎の覚醒シーンがあってこれはこれで熱い(笑)
演技も良くて、間抜けなところはとことん間抜けなのにしっかり覇気があるところ良かった。
あと、この映画ファミリー映画だと思って見ると痛い目に合う。
顔の半分が焼けただれたり、ガラス片が顔にぶっ刺さったり、足に針が貫通したりとやたらと痛々しい描写があって途中から寧ろ悪役の方が可哀想に見えてくる。
どういう層に向けた映画なんだこれ…
ノリも軽くてポップなのにやってることがいちいち物騒。
ハエもそうだけどヒロインもなかなかおかしくてことの真相を知ってからめちゃくちゃ殺意高くなって笑った
ヒロインが人の殺し方のウェブサイト見たり爆薬作ったりってしますか?っていう。
まぁ復讐は何も生まないが復讐したほうがスッキリするからねしょうがないね。
殺意の高さの最も象徴的なのが劇中歌の歌詞
これは本当に凄い。
「これから始めたい10のこと」
1.お前を殺す
2.お前を殺す
3.お前を殺す
4.お前を殺す
5.お前を殺す
6.お前を殺す
7.お前を殺す
8.お前を殺す
9.お前を殺す
10.お前を殺す