みーたん@映画初心者

夢と狂気の王国のみーたん@映画初心者のレビュー・感想・評価

夢と狂気の王国(2013年製作の映画)
3.7
宮崎駿引退会見前に窓の外を眺めて話した言葉が彼の作品を端的に表していて好きでした。
「あの屋根を上って、あそこの屋根に飛びのって・・・そう考えるとどこまでも行ける気がするんだよね。」
うろ覚えだけどそんな言葉でした。
宮崎さんのその言葉の間にフラッシュバックのように流れる「走る」「飛ぶ」シーン。
どれも名シーンと言われている、夢のあるシーンです。

毎日同じ屋上にのぼって景色を眺める中で、宮崎さんには我々よりもピュアな視点でいろんな発見をしているのだと感じました。

レンズの絞りが大きめの光が多い明るい映像の撮り方や、ところどころに織り込まれた花や風景のカットが女性らしくて印象的でした。
砂田さんが女性だったからこそ、こういった優しい画を撮る方だったからこそ、宮崎監督も話したことがあるんじゃないのかな・・と思うような言葉もありました。

思ったより長かったのですが、風立ちぬを初め宮崎駿監督作品の裏話や、彼の発想のルーツにつながるエピソードや発言があったりして、とても楽しめました。