Saito

夢と狂気の王国のSaitoのレビュー・感想・評価

夢と狂気の王国(2013年製作の映画)
3.8
日本のアニメがヒットするには原作者という漫画作家の存在がほぼ不可欠という非常な現実があるが、その例外であるジブリも結局は気の狂った作家=職人を前面に押し出したプロデュースによるものなので思うにアニメとは映画とは異なる工芸品のようなもので、そこに職人の顔があるかどうかが重要なのかもしれない。目を瞑って何度もストップウォッチ片手に脳内で映像チェックをしながら絵コンテ切る宮崎の様子を見ると「職人、天才…」とか思ってしまう訳で。
なのでジブリが成功したのはやはり作家本人のプロデュースをゴリゴリにした鈴木敏夫の力がかなり大きいのだと思う。このドキュメンタリーもその機能を物凄く良く果たしており、ジブリの主要登場人物たちは変人で偏屈だが才能に溢れたキュートな天才なんだなあ、という偶像をバッチリ見る者に植え付ける。
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