健一

事件の健一のレビュー・感想・評価

事件(1978年製作の映画)
4.0
WOWOWで放送していたので録画して鑑賞。

1978年 🇯🇵映画 カラー作品。

第2回 日本アカデミー賞
最優秀作品賞
最優秀監督賞(野村芳太郎)
最優秀脚本賞(新藤兼人)
最優秀主演女優賞(大竹しのぶ)
最優秀助演男優賞(渡瀬恒彦)
最優秀撮影賞
最優秀美術賞 受賞。

上記のようにアカデミー賞で主要部門をかなり獲ってる名作なんですが、なんせタイトルがあまりにもシンプルなので つい最近本作の存在を知った次第です。
ね!「事件」って。シンプル過ぎない?
だが賞を獲るのも伊達じゃない!
とんでもない重圧な見応え十分のサスペンス大作でした。

story
単なる刺殺事件と思われた背後に 一人の青年を愛してしまった姉妹の激しい葛藤が渦巻くさまを裁判の過程で浮き上がらせていく骨太の人間ドラマ。

冒頭から数十分間。
映画を見てる というより傍聴席で裁判の公判を聴いているかのような なんとも言えない緊張感。
『もしかして、このまま2時間続くの?』と思いながら聴いているとサブリミナル的に事件の過程や それにまつわるヒント が効果的に導入されて変に感情を揺さぶられるこの演出が たまらなく素晴らしい。
『2時間モノのサスペンスTVドラマ』の枠を超え 名監督&重圧なキャスト陣の濃厚な演技で一級品の『映画』に仕上がっている。

自由奔放な姉を演じた松坂慶子と素朴で一途な妹を演じた大竹しのぶ。
ふたりのものすごい演技がこの作品を成功へと導いたと言っても過言ではない。
ふたり揃って日本アカデミー賞主演女優賞にノミネートされたが、軍配は大竹しのぶに!
えっ?『主演女優』にしてはあまりにも出番が少な過ぎない? とも正直思うのだが演技力の高さと存在感の大きさは出番が少なくても観客の脳裏に焼き付くほど壮絶なものだった。
個人的には姉を演じた松坂慶子にあげたかったが。😅

そして 口が達者でヤクザでヒモ という難しい役どころを飄々と演じ助演男優賞を受賞した渡瀬恒彦‼️
この人も素晴らしかった。😃
本作のキーパーソンと言ってもいい重要な役を力を抜いた演技で完璧に演じていた。
もう『アッパレ!』の一言。

その他 丹波哲郎に チョイ役だけど北林谷栄に森繁久彌と。
超ベテラン達が鉄板の演技で脇を支えているので安心してサスペンスにのめり込んでいけるこの贅沢さ!

とは言え。
あくまで個人的な意見ですが 一人だけ どうしようもない『大根役者』がいた。
永島敏行さん。😰 酷過ぎる。
演技がヘタクソ過ぎる。ワザと下手に演じてたのかな?
当時21〜22歳くらいなはず。
役柄の設定は19歳。
でもどう見ても30歳前半くらいに見える。
昔の人は多少老け顔 とは言え どうみても未成年には見えない。
大竹しのぶとツーショットで恋愛を繰り広げられるのだが、ふたり並ぶとなんかカップルというより歳の近い親子みたい。
&演技がヘタクソという。😅
この人だけどうも 引っかかってしまう。

恐らく原作が素晴らしいので本作もこんな『名作』に仕上がったのでしょう。
こうなったら『日本アカデミー賞 最優秀作品賞受賞作』完全制覇!
目指してみようかな? 😊
健一

健一