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太極 -ゼロ-のkuuのレビュー・感想・評価

太極 -ゼロ-(2012年製作の映画)
3.3
『太極(TAI CHI)-ゼロ-』
原題 太極1 従零開始。
製作年2012年。上映時間98分。

俳優としても活躍するスティーブン・フォンが監督を務め、実在の武術家・楊露禅(ようろぜん)の若き日を描いた新感覚カンフーアクション3部作の第1作。
因みに、陳家溝で太極拳を学んだ、実際の楊露禅は『楊無敵』と称されて、のちに満州族が統治する清朝朝廷の高官たちにも教授したそうな。
異民族である清朝朝廷の満州族の高官に漢民族の文化である太極拳を教えたくなかったらしい。
その時から清朝朝廷の高官たちが多く指導していったということで、秘伝は世の中には伝わらず、やわらかい健康法として多くの知られるようになって今に至るんやそうです。

偖、お話は
生まれつき戦闘能力に長け、額にある肉芽(額に角みたいな肉の盛り上がり)を押されると無敵状態となる青年・楊。
戦場で暴れまわっていた彼は、このままでは死に至ると軍医に忠告されてしまう。
とある秘拳を習得すれば生き延びることができると知った楊は、最果ての聖地・陳家溝を訪れるが。。。

プロットは一般的で派生的やけど、技術部門がまぁ悪くなくドレスアップしてたかな。
アニメやTVゲームにインスパイアされた演出がそのままアクションになったような作品でした。 

今作品の主人公楊露禅を演じる袁曉超(ジェイデン・ヤン)は、実際に、武術大会の元世界チャンプで、ジェット・リーの足跡をたどるレールに乗っかってるんやろけど、個人的には、ジェット・リーの様に愛着を持てるキャラやとは思えなかったかな。
音楽で云うならグルーヴ感がかんじらない。
その点、中国の至宝と唄われた、モデルでもある女優さんのアンジェラ・ベイビーは、見てるだけでも保養になった。
傾国の美女とは、将に彼女のような美女を云うのやろなぁ。
彼女にハマってしまった。
今作品の大部分は、主人公楊露禅が村まで行って武術を習得しようとする執念を描いてて、時に滑稽でもあるかな。
本当の敵は、外的かつ多様なものからやってくるとも知らずに。
片や、主人公の恋敵ユーニャンの婚約者であるファンは、西洋の教育を受けながら、出身地の陳村では愛を見出せず、政府のプロジェクトである鉄道建設の指揮を執り、村を縦断する岐路に立たされたりと、キャラ的にもヌルくて小悪党さが、これまた愛着すら持てなかった。
また、スチームパンク(SFのサブジャンルの1つで、関連ジャンルとしてファンタジー、歴史改変もの、スペキュレイティブ・フィクションがある)にインスパイアされたであろう巨大鉄道建設のデザインも忘れてはならないほど滑稽。
視覚効果、セット、武術に至っては悪くないし最後まで見れたが、サモ・ハン自身がデザインしたモンやと後で知り、彼のセンスを疑った。
作中の遊び心あるキャラ紹介は現代風で、なんか懐かしい香港アクションスターもちらほら見られた。
オープニング・クレジットのためにアニメーションを使用し、さらに、一人称視点、アニメやコミック・スタイルのフォントがストーリーを進めるために登場したり、効果音をコミカルな映像に変換するなど、全体的な視点と攻撃的なカメラワークで、遊び心に満ちたルックで視覚的に物語のスパイスを加えてる。
これが合うか合わないかで、今作品の好き嫌いは分かれるかな。
多くのサブストーリーが残されたままやし、続編ありきはちょいキツいかも。
まぁ続編をみてからの評価と判断を保留しています。
とは云えすぐに見るかは微妙な作品でタイミング合った時にでも続編は見てみたいくらいの作品でした。
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