7oy5

トリック劇場版 ラストステージの7oy5のレビュー・感想・評価

3.0
この映画を一言で表すと非常に残念な作品。
このような評価になったのにはいくつもの原因がある。

一つ目はロケ地。
今回のロケ地は作品最初で最後の海外。結果的にこれが大失敗だった。トリック全作品共通して最初の見せ場と言えるのが『村』である。面白い名前から始まり、村に着くとユーモアのある地図や立て看板が出迎えてくれる。だが、今回の作品では全くそれが伝わらなかった。原因は舞台が異国であるが故に、日本語で地図や看板が書けなかったことにあるだろう。かろうじて『ビックマザー』を出したが結果、この作品とは全く関係がなかった。

二つ目はトリック(マジック)の数と質。
作品の題名であり肝であり一番の醍醐味だろう。にも関わらず、数も質も低レベルだった。ラストステージと題のつけるくらいだから最後はどんなトリックを見せてくれるのだろうと期待していただけに拍子抜け。ドラマ単体のトリックの方が遥かに質が良かった。

三つ目はこの作品最大の謎である本物の霊能力者の存在。
多くのファンはこの映画を通してその謎が明らかになるであろうと期待していたはずだ。
しかし蓋を開けてみれば、山田が見知らぬ土地で謎に命を張る無理矢理な口実の材料にしかならなかった。
あれでは結局霊能力は存在するのか、それとも全て奇術だったのか判断のしようがない。 

他にも映画オリジナルキャラクターの設定やストーリー展開、山田と上田の関係等、大いに疑問が残る結果になってしまった。

ただ、完全に駄作かと言われるとそうではなく、山田と上田の掛け合いはやはり見ていて面白かった。それに過去作をオマージュした展開も良かった。

個人的は呪術師は既出の人物もしくは黒門島や山田家と関係のある人物でストーリーはもっと物語の深層に迫って欲しかった。

以上、この作品が大好きだっただけに非常に残念ではあるが、続編の可能性も匂わせてはいたのでまずは続編、そして挽回に期待したい。
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