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るろうに剣心 伝説の最期編のodyssのレビュー・感想・評価

3.0
【後半がねえ・・・】

前作「京都大火編」に続いての公開です。前作の記憶が薄れないうちにということで早めに映画館に足を運びました。

前半は、「京都大火編」の最後で出てきた福山雅治の正体が明らかになるとともに、彼の存在感が作品を支えています。私は福山というと、その音楽活動には興味がなく俳優としての彼を映画で見るだけですが、今まではガリレオなどの現代劇でしか知りませんでした。しかしこの映画での彼は相当にいいですね。また年齢が四十を越えて男の渋みみたいなものも出てきている。俳優としての福山雅治には今後も注目です。

で、問題なのが後半。これがダメなんですよね。筋書きがいい加減で展開がご都合主義過ぎる。
具体的に書くとネタバレになるので、ボカして、或いは切りつめて書きますけど・・・でも未見の方は読まないほうがいいかも。

劍心は志々雄に立ち向かうなら自分たちだけで行くべきだった。
なぜなら、砲撃との関係があるから。
また砲撃は、伊藤博文の人物像を曖昧にしている。
加えて、砲撃に対して軍艦は無力過ぎ。あれじゃ、最初から維新政府に歯向かうのは無理。

そして何よりも志々雄と劍心の最後の闘いがダメ。
まず、一対一になっていないこと。最後は一対一じゃなきゃ。
また、駒形由美の体が間に挟まる場面。あれじゃ、劍心は死ぬか、最低、瀕死状態で闘えなくなっていますよ。ご都合主義が過ぎる。

女優の使い方や質に問題があるのは、京都大火編と同じで、その点についてはそちらに書いたので繰り返しません。

せっかくの娯楽大作。細部まできっちり詰めて制作していればエンタメの傑作になったでしょうに、残念。

しかし前半に免じてぎりぎり合格点とします。

なお、「るろうに剣心」シリーズはその後も続いていますけど、私はこれを最後に見なくなりました。飽きたので。
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