キャストも演技も演出も、邦画特撮映画として、あるいは人気漫画の実写化として、若手俳優を使った時代劇映画として、相当に高いレベルで結実していると思う。シンプルで絵作りの邪魔にならない緊迫感を醸し出す管弦楽中心の劇伴もきわめて効果的に使われていた。
★相変わらずの剣心、佐藤健は良い動き。時代劇の新次元と言って過言なし。
★神木隆之介も負けず劣らずの良い動き。カサカサ動いて互いの死角に回り込み合う佐藤健との神速バトルは観ていてキモい域に達している!
★十本刀「刀狩りの張」は金髪のトサカを逆立てたヤンキーじみたエセ大阪人キャラだが、三浦涼介が熱演。この人はチンピラキャラばかりが回ってくるな!
★今作のラスボス、志々雄真実は藤原竜也。激昂して言葉が全部濁音になるのは全身火傷の後遺症かも。「な゛に゛がゴザル゛だァァァ⁈」
★滅茶苦茶に殺気立って抜刀斎を探す、伊勢谷友介演じるアオシ。それなのに彼がやったことと言えば、前菜感覚で出てきた相楽左之助を軽くボコッて帰った後、京都大火のドサクサに紛れ葵屋の主人を殺す位で、原作未読者はおおよそポカーンであろうことが予想されて面白い(前作は鵜堂刃衛、今作は志々雄真実戦メインにつき、間にあるエピソードが端折られたのはやむを得ない)
★満を持して登場する、福山雅治演じる「謎の男」……いったい何十郎なんだ……