TAK44マグナム

ランボー3/怒りのアフガンのTAK44マグナムのレビュー・感想・評価

3.5
「ランボー」シリーズ第三作。 

今度のランボーは一体何に怒っているのかというと、上官であったトラウトマン大佐がアフガンへ調査へ赴いたらソ連軍に拉致られてしまったために怒っているというわけです。 
「もう戦いは終わった」と言うわりには、トラウトマン大佐を助けるためなら何も考えずに即アフガン行きを決めるランボー。 
当時のアフガンといえばソ連が勝手に侵攻してアフガンゲリラと戦闘中という超危険地帯。 
そんな場所へ潜入するランボー。 
たったひとりでソ連軍基地へ行って、大佐を救出する気まんまんなので、現地のゲリラたちに「やめておけ」と警告されます。 
そりゃそうです。相手は屈強の特殊部隊スペッナズを筆頭に数え切れないほどの兵士、そして最新鋭のヘリや戦車で武装しているのです。 
ひとりきりで何ができるというのか?普通なら不可能な任務ですよ。 
しかし強さのインフレ具合が素晴らしいランボーは、なんだかんだ言いつつもソ連軍を手玉にとって大佐を助け出します。 
最後は大部隊に包囲されて万事休すかと思いきや、そこへゲリラたちが加勢に来てくれるのでした。 

劇場公開する前に、現実ではソ連が撤退をはじめてしまったために、何ともマヌケな感じになってしまったのは、スタローンをはじめ製作陣の不運ですね。アフガンにとってみればソ連がいなくなったのは良かったんでしょうけれど(結果的には別の惨事がまっていたわけですが)、スタローンたちが頭を抱えたのは想像にかたくありません。 
しかも皮肉なことに、劇中ではランボー(=アメリカ)と共闘したゲリラたちが後にタリバンとなってアメリカと戦うことになってしまうわけで、ますますこの映画の立場が微妙になってしまった感があります。 
wikiを参照すると、タリバンの少年兵の教育材料として「ランボー3」のビデオが使われているらしくて、しゃれにならない事態となっちゃったみたいです・・・汗 
まあ、ビン・ラディンたちにしてみればアメリカに利用されるだけされて、要らなくなったらポイ捨てなんて怒るのも無理はないとも思いますが・・・映画には罪はないと思いたいですねえ。 

だけども、一本の戦争アクションとして観た場合、荒唐無稽さにもより拍車がかかっていて見せ場も多く、けっこう楽しめます。 
ほとんど戦っているだけで進行するような映画なので深く考えずに観るのが正しい「ランボー3」の味わい方と言えます。 

しかし、改めて観てみると、スタローンって「ランボー最後の戦場」をこの映画の落とし前として作ったんじゃないですかね・・・勝手にそんな気がしただけなんですけど(苦笑) 
舞台がアフガンとミャンマーって違いはあるし、敵もソ連(ロシア)じゃないですが、「民間人を蹂躙しまくっている悪の軍隊をランボーが重機関銃でうちのめす」ってパターンがソックリじゃないかと。 
「ランボー3」が何だか中途半端なことになってしまったので、今度こそって意気込んでみました!って、個人的に受け取れたんですけどね。 
今度「ランボー最後の戦場」を久しぶりに観たくなっちゃいましたよ。 

ブルーレイ版ですが、「怒りの脱出」と比べて、あまりのクオリティの差に驚きました。 
画質も音質も格段に良いです。 
特に音がちゃんとHD音声って感じで分離感もあり、戦闘シーンの迫力が凄く向上しています。 

シリーズの中で一番メッセージ性が低く、反対に娯楽性が高い「ランボー3」。頭を空っぽにして観ると納まりがちょうどいいですね。


テレビ放送、セル・ブルーレイにて