イチロヲ

クリーチャーズ 異次元からの侵略者のイチロヲのレビュー・感想・評価

3.5
強力な霊視能力を有している青年が、自身の能力の根源を辿るうちに、地球侵略者の存在を知らされてしまう。「見えないモノが見える人間」の暗中飛躍を描いている、サスペンス・スリラー。カルト作「ファンタズム」の生みの親、ドン・コスカレリの仕事。

霊能者とドラッグ中毒者を紙一重のものとして捉えながら、クリーチャーの登場シーンを、バッド・トリップ系のアシッド描写で表現している作品。ドアノブを握ろうとしたらチンコになり、男の顔から剥がれたチョビ髭が襲い掛かってくる。

まるで、黒魔術(神智学)要素と70年代ヒッピー精神を掛け合わせて、現代に語り直しているような感覚。「人間は無意識の領域で何を感じているのか?」という提起を、うまい具合にホラーへと落とし込んでいる。

しかしながら、主人公の能力があまりにも便利すぎるため、「後付けでどうにでも出来てしまう」という難点がある。その場の思い付きだけで拵えたようなシナリオ構成も、パワー不足の感が否めない。
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