ぐる

愛の神、エロスのぐるのレビュー・感想・評価

愛の神、エロス(2004年製作の映画)
4.9
高慢なほどに誇り高い高級娼婦のホアと、献身的に彼女に尽くす仕立て屋のチャン。ストーリーがシンプルな分、演技・音楽やカメラワークによって醸し出される情感がより胸に迫る。
チャンの最後のセリフ「没想到」、たった3文字なのにこれほど多くを物語るセリフはないと思う。
ホアはパトロンや客と会う時は白系のネイルをしているけど、チャンと会うとき(と彼の想像の中)は赤いネイル。

鏡越しに交わる視線、どしゃ降りの雨、高い襟の旗袍に大ぶりのイヤリングで髪はアップスタイル…と「花様年華」と似たところは沢山あって、一部キャストも共通しているから同じ世界線にあるような感覚がある。
でも「花様年華」でマギー・チャンが着ていた旗袍はキャリアウーマンらしい抑制がどこか効いてるけど、今作の旗袍は思いっきり着飾るためのもの。違いを探すのも面白かった。
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