うに

愛の神、エロスのうにのレビュー・感想・評価

愛の神、エロス(2004年製作の映画)
3.5
若き仕立屋の恋が見たかったためDVDにて

大本命の若き仕立屋の恋ですが、花様年華に並ぶ傑作という評価も納得の作品でした。

エロスという抽象的で解釈が人それぞれ違うテーマに40分程度の短さでここまでの物語を紡ぎ出せるだなんて、ただただ驚くばかり

短編でもウォン・カーウァイらしさは全開ですが、むしろ短編だからこその演出も素晴らしく、雨音、電話の声色や扉ひとつに遮られている空間により、それぞれの立場の違いや抱える想いと本題であるエロスを手を通して婉曲的に表現する演出がとんでもなく良かったです。

ラストのチャン・チェンの思いを秘めた切ない表情が大好き、この後に何かありそうな雰囲気があったけど、その辺はロングバージョンの方で楽しみにしてます。


大本命のウォン・カーウァイは本当に素晴らしく、コン・リーがとても美しい。そして手がエロい。

ソダーバーグはエロスとは?って終盤まで感じていたものの、さらっと急展開からいきなり不穏な雰囲気を帯び始めるのがたまらなく好き。

アントニオーニは「愛の神、エロス」と聞くと、まさにこういう作品をイメージするよなって感じでエロスというテーマをド直球かつイタリア風に表現していて、他の2作に比べてあまりにもド直球な表現にちょっとびっくり、でも久しぶりに見たルイーザ・ラニエリが綺麗。
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