スローモーション男

白い指の戯れのスローモーション男のレビュー・感想・評価

白い指の戯れ(1972年製作の映画)
4.2
 『蘇える金狼』『野獣死すべし』の村川透監督デビュー作。

スリの集団とそれに関わる19歳の少女による日活ロマンポルノ。

変な男と変な女たちによる変な映画です。

ヒッピー文化や学生運動が終わりに近づいていた頃の虚無感が見える。この作品ではポルノ映画にしなくていいだろうと言うくらい濡れ場が魅力的でない。
後半の泡風呂で遊ぶシーンは面白かったですが。

そして犯罪映画なのかと言われるとこれまた微妙。要するになんの映画なのか分からない。
それでもひとつひとつのショットが決まっているんですね。

壊れたレッカー車や雑多な街並みやスリのシーンなど工夫がなされていました。
伊佐山ひろ子のデビュー作でもあり、初々しい姿が観れました。