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ダブルフェイス 秘めた女のtakのレビュー・感想・評価

ダブルフェイス 秘めた女(2009年製作の映画)
3.0
ソフィー・マルソー演ずる主人公ジャンヌは8歳以前の記憶がない。そこに迫るべく自伝的小説を書くことを試みるが、感情がこもっていないと酷評されてしまう。その頃から家族と暮らす部屋が自分の部屋とは思えなくなっていく。そして鏡に映る自分が違う女の顔に見えたり、夫が撮ったビデオの映像にも自分ではなく違う女が写っている。車を運転していてもどこを走っているのかわからなくなったり、夫の顔も別な男に変わって見えたり、次第に常軌を逸していくジャンヌ。母親の家で見つけた1枚の写真を手に自分のルーツを探しにイタリアへ旅立つ。 そこで知ることとなる意外な結末。

ソフィー・マルソーとモニカ・ベルッチの二枚看板なのに日本では劇場未公開。 確かに派手な映画ではない。主人公、夫、母親がそれぞれダブルキャストのようなものだから、ボーッと観てるとわかりにくい のかなぁ。それ故に一般受けしない からDVDスルーというところ?。それよりもヨーロッパ女優主演作というとすぐに官能サスペンスみたいな売り方をする企業もどうかと思うんだよねぇ。

顔が歪んで変化していくモーフィングで、ソフィー・マルソーの顔がモニカ・ベルッチに変わっていくのは見どころのひとつ。鏡やガラスに映る姿をうまく使いながら緊張感を高めていく演出 は、目新しくはないが印象に残る。映画の結末は、確かに予測していなかったものだし納得のいくオチではあるが、唐突な感じがして気持ちが盛り上がらないのは、きっと脚本のせい。主人公が家族の様子を見つめるラストシーン。それは彼女にとって納得して成仏できるものなのか。受け取り方は人それぞれあるような。
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