二瓶ちゃん

さとうきび畑の唄の二瓶ちゃんのネタバレレビュー・内容・結末

さとうきび畑の唄(2003年製作の映画)
4.3

このレビューはネタバレを含みます

就職先の先輩になるだろう人と飲みの席で勧められて鑑賞。

教育的なんだけど、しっかりとドラマで、そしていて残酷で。泣きますよ。

有名な人しか出ていないドラマ。テンポがいいのでサラッと見れるが、長いような154分。(Filmarksは時間表示ミスしてる)

戦争に巻き込まれ、引き裂かれてゆくある沖縄の一家のお話。

仲間由紀恵が若いのと、小学生だけどここでも先生やってる。今や前田敦子になった勝地涼は坊主頭の勇敢な青年。まだ色気がある黒木瞳もまた若く、母親役。娘役は上戸彩、1945年を舞台にしているとは言えど、髪型はしっかりと2000年代だった。

そしてそして、名司会者である明石家さんま。からの役は底抜けで明るい写真屋の父親。
向かってくる暗い戦争に、これでもかと明るく噛み付く。しかし、彼の底には人を幸せにしたい思いがあって、感情の裏表の差異が大きすぎて、初めの方から何度も泣かされた。

本作はテレビスペシャルとして放映されたもので、映画ではないからこそのテンポ。しかしTBSは一切手加減なしだったんじゃないか。一国の有名な司会者があのような死を遂げる役だとは。明石家演じる父の死が一番トラウマ的かも。あと崖からのシーンも。

今日的価値観で描かれるため、「アメリカ人も人間だ」を信じた黒木瞳たちは救われたが、救われたにしても性的暴行を受けるだとか、救われずに虐殺されるとか、もっと当時のアメリカは容赦なかったに違いないと確信する。
これは明石家の死の直前のシーンにも関係するのだが、ただひたすらに真っ直ぐに生きて、和解を探ろうとする人物たちがただ哀しい。

春子が唄を唄う、という話に持っていきたかったのだろうか。

長いし、時代としては20年前のドラマで古いし、CGは安っぽいけど、ただドラマとしていただけたし、些細なのかもしれない現代の問題に立ち向かっていく私に、歴史のことをあらためて訴えかけてくれたのでこの評価。長いけどおすすめです。絶対子供の頃見たらトラウマ。

Do you kill me?
ところどころに出てくる敬語に不自然さ。