よふかし

さとうきび畑の唄のよふかしのネタバレレビュー・内容・結末

さとうきび畑の唄(2003年製作の映画)
3.2

このレビューはネタバレを含みます

授業で見た。
唯一地上戦が行われてしまった沖縄。凄惨だったことは知ってたけど、やっぱりエグかった。でも主演のさんまのユニークさが良い味出してた。シリアスのなかにも笑いがあり、それが作品の主人公の生き方とマッチしてた。戦争は二度と繰り返してはいけないと強く思う。良い映画だった。
父親役のさんまが言った「僕はこんなことをするために生まれてきたんじゃあないんですよ……」が良かった。本当にそう。何かを、誰かを守るために戦うことはあっても、進んで敵を殺したいとは思わない。戦時中にあっても貫かれる、人間として当然の優しさが痛ましくも美しかった。
あと、カメラに残された笑顔の写真もすごく沁みた。遺品のカメラに父親の写真が一枚もないのがすごく勿体無いような気もしたけど、「笑顔の写真を撮ること」を己の生きがいとした父親が最後までそれをまっとうしたのがこれ以上ない形で分かるのグッとくる。本人の写真よりよっぽど雄弁に語りかけてくるようやんね。
父親の死の事実を幼い弟妹にはとっさに隠す姉(上戸彩)も切なかった。
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