爆裂BOX

ジュラシック・レイクの爆裂BOXのレビュー・感想・評価

ジュラシック・レイク(2007年製作の映画)
3.6
アメリカのスペリオル湖で不可思議なバラバラ死体が相次いで発見される。未知動物学者のジェームズはかつて父親を殺したネッシーの仕業だと直感するが…というストーリー。
「フィアー・フロム・デプス」や「スネークヘッドテラー」のポール・ジラー監督によるネッシーを題材にしたモンスター・パニックです。
出し惜しみせず冒頭からネッシーが姿を現して人を食ってくれるのが良いですね。本作のネッシーはかなり残忍で凶暴で、水辺に近づいた人達を水中から飛び出して喰うだけじゃなく、上陸して人を襲ったり、パイプの中に隠れた人間を食う為端を持ち上げて転がり落としたりと狡猾な知性見せてくれます。ジャケの様にティラノサウルスではありませんが、プレシオサウルスという割にヒレじゃなく水かきのついた足がついてるんですよね。後頭部から背中にかけて大きなヒレがついてる姿とか「メカゴジラの逆襲」のチタノサウルスが四足歩行になったみたい。更に後半では幼獣も登場しますが、こいつらもまた凶暴で犠牲者を食い散らかしてくれます。基本CGで表現されていてクオリティは安っぽいですが。アップのシーンでは頭部の模型使ってますね。襲われた犠牲者は上半身喰いちぎられたりしますがゴア描写もCGで表現されてるのは物足りないかな。ただ、後半幼獣に食い散らかされる死体は人形使ってて中々グロいです。
主人公ジェームズは咥えたばこにロングコートと中々渋いイケオジで、動物学者というよりUMAハンターとい感じですが、改良したソナーガンや青酸カリ入りの弾丸装填したライフルなどの秘密兵器使ってネッシーと戦う展開は怪獣映画みたいで楽しいですね。事態に対処する息子を溺愛する女性保安官や部下の老保安官補ニール、息子で釣具店営む利発な保安官の息子ジョシュなど足引っ張ったりイラつかせるキャラがいないのも良かったかな。嫌な奴キャラのブロディも、島でネッシーによる犠牲者が出た後は結構もっともな事いってたし、ジョシュ助けたり嫌な奴だけで終わらない所も良かった。ジョシュの叔父の陰謀論を甥に話して聞かせるショーンはイイキャラだっただけに早目の退場は残念だった。
孤島に遊びに行ったゾーイやブロディがネッシーに襲われる所ではやられキャラも簡単にやられずに信号弾撃って抵抗したりする所もちょっと意外で楽しかった。
終盤のネッシーとの戦いは、幼獣たちをライフルで次々狙撃したり、親ネッシー戦いも、鉱石の影響で最新の武器が使いづらい状況になったりと工夫してあって楽しめました。ただ、陸が舞台なのでネッシーもノロノロと歩いてくることしかできないので、どうせなら水中を舞台にした戦いを最後に見たかったですね。しかしニールはライフルで幼獣次々倒して活躍してたのに残念だったな。最後主人公達に気にされてないし。
舞台は田舎町の湖周辺とこじんまりしてますが、テンポも良くて安定して楽しめるモンスター物ですね。