Yoshishun

キッズ・リターン 再会の時のYoshishunのレビュー・感想・評価

2.6
言わずと知れた北野武監督の名作「キッズ・リターン」の続編。ただし、武が監督じゃなくて、前作の助監督さんが本作の監督。武は原案だけの担当。

で、前作の続編なんだけどね……あれだけ挫折しといてまた同じ道を歩もうとするんですね、シンジとまーちゃん。そんでもって片方はまたボクシング、もう片方はヤクザの道へ。懲りないな~、二人とも。特にヤクザの方はしくじり先生に出演できるレベル。

本作は所謂前作の模倣作品。頑張って真似しようとしてまあ失敗というか雰囲気だけ似せようとしただけ。音楽、演技、映像なんかは前作には到底及ばない。前作はフライデー襲撃事件の直後だったからこそ、あんな成功と挫折の描写が綺麗にできた。その模倣作品となると、ただ前作を嘲笑してるように見える。

また、本作は前半がひじょうに退屈。目立った展開なんて皆無、更に無駄なシーンもちょこちょこ。例えば、しょーもない賭け事のシーンなんかは絶対に要らないし、見てるこっちは何してんのか正確にわからない。
ただ、後半からちょっとだけましになる。ボクシング日本タイトルの夢を掴もうとするシンジの試合のシーンはまあ熱くはなる。只、その間間に入るシーンで、まーちゃんが重傷を負いながらも試合へと駆けつけてくるシーン。確か重傷を負ったのは昼間。そして、夜にその試合会場に着いてる。生命力高すぎの一言。更によく考えると会場に着くまで誰も声かけないの?救急車呼ばないの?と考えてしまった。本作に登場する住民も中々ひどい奴等である。

正直一番気に入らないのは、バカヤロー!コノヤロー!の応酬。違和感ありまくりの使い方。アウトレイジじゃないんだから。

とにかく本作の見所はシンジのボクシングシーン位。まーちゃんのやくざ道は結構どーでもいい。何か勝手に墜ちてってるだけだしね。

前作のファンは別に見ても見なくても良い感じです。
Yoshishun

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