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父の秘密のharuのレビュー・感想・評価

父の秘密(2012年製作の映画)
3.8
「暗い気持ちになる映画」でオススメしてもらったんだけど想像より遥かに落ち込んだ。大切な人の死と遠い街への転居、新しい職場という大きなストレスのなかで、必要最低限をかろうじて揃えたがらんとした部屋で身を寄せ合って生活する父と娘。作中に父親が笑顔を見せることは一度もない。父を気遣いながら新しい環境に必死に慣れようとした娘の一瞬の気の緩みから、想像を絶する地獄のような出来事が連鎖する。若さ、集団心理、沸点を超えた怒りの先にあるもの、見ているこちらもたしかにどこかで感じた覚えのある狂気がBGMもない圧倒的な現実感で迫ってくる。これはかなり怖いことだけど、大半の人に共感があるからこそこの映画が評価されてるんだと思う。
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