ダウナーな吸血鬼の、ドラマチックではないけれどロマンチックでダウナーな日常はシナリオ的にはやや退屈で、致命的なトラブルは起これど常にテンションは低め。
妹吸血鬼が俗物的刹那的に我儘に生きていて、それを嫌ったり自殺を企てても結局は死にたくなかったり、長く生きて教養があって流儀がある吸血鬼といえども生存本能は人間と大差ないところに親近感を見つけられる。
グラスに注いだ血液を飲み干し、犬歯を見せつけながら恍惚の表情を浮かべるティルダ・スウィントンがとってもキュートで、美そのものの佇まい、段々と魔力が増していき終盤には怖い顔にもみえる。