アヤネ

オンリー・ラヴァーズ・レフト・アライヴのアヤネのネタバレレビュー・内容・結末

4.2

このレビューはネタバレを含みます

2024年64本目。
ティルダ・スウィントンとトム・ヒドルストンに吸血鬼としての説得力がありすぎて最高!「とてつもなく美しくてちょっと不気味」っていう絶妙なところをついてるんだよね。ふたりが裸体で横たわってるシーンとかあまりにうつくしくて惚れ惚れしちゃったな。彫刻のようだった。
賢く面倒見のいいイヴとこじらせ甘えた男子のアダムは、夫婦でありつつ姉弟ぽさもあって可愛かったなー。疲れて立ち止まったアダムに「もうちょっとだから頑張って」ってイヴが声かけるのとか、イヴに手を引かれるままにのろのろ歩くアダムとか、なんか微笑ましくて好き。
しかし現代の吸血鬼めちゃくちゃ生きづらそうでそこは気の毒だった。太陽が天敵なのは変わらず、血でしか命を繋げないのにその辺の人間襲うのは現代社会では事後処理が大変で、しかも良くない血に中ると最悪死ぬとか…。大変だなぁ…と思いながら見てたわ。終盤のアダムとイヴほんとにげっそりして見えるから特に。
そして気の毒と言えばイアンはほんと気の毒。めちゃくちゃいいやつだったのに…。ライブハウス?バー?で、3人に合わせてサングラスかけるシーンとか可愛くて大好きだなー。それにしてもなんだあの人体を一瞬で溶かすハイパー危険スポットは。気軽に入れていいのかあそこ。
しかし最近MARVELばっかり見てたせいもあると思うけど、こういうダウナー系の映画はからだに沁みる…。なんかこう、すーっと入ってくるというか、ぼうっと見てても脳が認識してくれるというか。
アーティスティックな要素が強い作品だから、その分「なんとなく察してください」な説明されないシーンも多く、「よくわかんねぇ」ってなったりもあったけどね。ロンドンを避けるのは昔なんかあったせい?ゾンビはイコール「取るに足らない一般人」ってこと?とか。
木の弾丸も最初よくわかんなかったなぁ。杭の代わりイコール自殺用ってことなんだろうけども、サイズとか関係なく木が心臓に刺さればOKってシステムなのは面白い。
しかしあれのおかげでなんかじとっとしたバッドエンドになるんじゃないかって気を揉んだけど、案外しぶとく生き残ってくれて良かったわ。せっかくだからラストシーンの後、ふたりの吸血シーンも見たかったなーまぁ情緒には欠けるかもしれないけども。
印象的なシーンは、イヴの旅支度の辺りかなー。彼女の知性と無邪気さが溢れ出てる感じがして好き。キャリーケースいっぱいに本詰めてくのかわいい。ただ床に色んな国のお金広げてる中にあった日本円、ぜんぶ千円札だったのはちょっと笑っちゃった。あれのおかげで、「すごいお金持ち!」ってより「お小遣いかきあつめました!」感が出てしまってて笑 いやそんなの日本人以外誰も気づかないからいいんだけどさ。
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