南宮龍八

美人図の南宮龍八のレビュー・感想・評価

美人図(2008年製作の映画)
2.0
朝鮮王朝の時代、実在の絵師シン・ユンボクをモチーフにした愛欲の翻弄劇である。キム・ミンソンが大胆な全身ヌードと激しいセックス・シーンを演じて話題となり、R-18指定、つまり18歳未満鑑賞禁止の作品となったのだ。ムン・グニョンがシン・ユンボクを演じるドラマ「風の絵師」(2008)とはまったく趣向が異なると思うので鑑賞の際には注意すること。それにしても、劇中ピンクの韓服で男装するキム・ミンソンが違和感あり過ぎで、こんなの誰が見たって男とは思えないのだが(笑)引き裂かれる男女の悲恋では同じく「ファン・ジ二」(2007)を思い浮かべるが、セックス・シーンをイメージだけで見せていたソン・へギョよりも脱ぎっぷりが気持ち良いキム・ミンソンの方に女優魂を感じた。置屋で繰り広げられるレズビアン・ショーはかなり過激なのだが、AVまがいのエロ描写は女性客には不向きだろうしわざわざ描く必要はなかったと思う。時代劇らしい豪華絢爛の衣装やセットなどは流石に目が奪われるが、肝心のストーリーにはちっとも引き込まれない。惜しげもなくヌードを披露し体当たりで頑張っていた点ではキム・ミンソンの熱演を評価したいが、この役は彼女の個性には合わないような気がした。「ナンパの定石」(2005)のソン・イェジンのようにどこか無理して演技しているような気がするのだ。キム・ミンソンには申し訳ないが、チョン・ドヨンやキム・ジスのようにもっと存在感のある女優が演じていたらきっとキャラクターに華があって面白い作品になっていたことだろう。

09/05/18
南宮龍八

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