Mel

スーサイド・ショップのMelのレビュー・感想・評価

スーサイド・ショップ(2012年製作の映画)
5.0
The Suicide Shop=自殺用品専門店
タイトルと怪しげなイラストに惹き付けられて鑑賞したけれど、かなり考えさせられる作品💭

フランスは実は日本と同じ自殺大国。作品の中で日本を連想させる描写(そもそも店主の名前がミシマ(日本刀が出てきたから三島由紀夫かな?))が沢山出てくるのは意図的だと思う。

ミシマの「この世界は悲しいから美しい!」ってセリフが心に残っていて、「全てが残酷に見えるこの悲しい世界を生きることで、僅かな光を見つけだせるかもしれない=暗闇の中だからこそ、その光は輝きを放つ」っていう裏のメッセージがある気がする。あとは単純にこの暗い世界から抜け出せない虚しさと人生諦めている気持ち(置かれた場所で咲きなさい的な)があると思う。でもミシマ自身は言葉の通りの意味で発しているけどね。

最後の青酸カリ入りのクレープ。自殺ってタブー視されてるけど実際はそうじゃなくて、生きることも死ぬことも決定権は自分にあってどちらを選んでも正解って意味なのかなと。生きること(クレープ)と死ぬこと(青酸カリ)は包含関係にあって、死ぬことはある種生きるための選択肢なのかもしれない。
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