ちろる

ワールズ・エンド 酔っぱらいが世界を救う!のちろるのレビュー・感想・評価

3.5
一晩で12軒のパブを制覇するべく、卒業したての俺たちはこの田舎町で暴れまくった。
時にセックスし、時にマリファナ漬けになり、喧嘩もしてハメを外しまくったが、あともう一歩のところでダウンしてしまう。
時は経ちアラフォーになった僕ら、もう一度リベンジしたい!

始まりの印象とガラッと180°変わる奇想天外なストーリー。
前半に感じるこの田舎町の違和感は、違和感ではなく住民が何者かによって操られていたのだ。
おなじみエドガー・ライト監督、サイモン・ペッグ、ニック・フロスト主演の3部作の第三弾のSFコメディー。
「宇宙人ポール」でも多くのSF映画のパロディを盛り込んでいましたが、本作も「「ゼイリブ」、「光る眼」、「未来世界」1930年~80年代のカルトSF作品への愛情を爆発させ、映画ファンを楽しませてくれる。

学生時代に成し遂げられなかった12軒の店をビールでハシゴするアラフォーおじさん達。非常事態にも関わらず飲酒運転を怖がるわ、最後まで5人の足並みが揃わないバラバラぶりはむしろ痛快。
おばか映画であることは間違いないが、老いと共に世間に絶望の中にいる人間たちのための「青春映画」である。
時代は彼らを置いてきぼりにして居場所を無くそうとするから、仕方なく、世間に適応することに懸命になってしまって自分を見失った人たちの戦い。
そう考えるとこのはちゃめちゃさもなんだか応援したくなる。
くだらないことはくだらなくても、どうにか彼らを「ワールズエンド」へ届けたいと思うのだ。
ゾンビ、ポリス、パブ荒らしと三部作に分かれて大暴れしたシリーズも最終章。
多分ま他3人のタッグはまたやってくれてるであろうと信じて、楽しみに待とうと思う。
ちろる

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