とりん

ワールズ・エンド 酔っぱらいが世界を救う!のとりんのレビュー・感想・評価

3.4
2024年6本目

エドガー・ライト監督とサイモン・ペッグ、ニック・フロストの主演コンビでおくる映画第3弾。
前作の「ホット・ファズ」は展開で驚いたけれど、本作も結構ぶっ飛んだ展開。またもどうしてこんなストーリーと設定にもっていったのか、良い意味でおかしい。
酔い倒れのおバカムービーと思って観始めたのにどうしていつの間にかSFになってるんだろう。
昔達成できなかった12軒のパブを一夜でハシゴする伝説にもう一度挑戦するとかお酒映画じゃナイスな設定なのに、そこにつきまとってくるのがSF要素である宇宙人が街を支配してましたという話。全くこのことを知らなかったからどうなってんだというのが途中から離れない。
そして行き着く先は毎度おなじみの大乱闘。故郷の街含めて世界を救いますよ的な流れは壮大にも思えるが、全然スケール感を感じさせないのがまたすごい。あまりにも自己的なゲイリーに振り回されるばかり。昔は馬鹿騒ぎした仲間たちも家庭をもったり就職してそれなりに良い生活を送ってたのに、ゲイリーのこの誘いによって最初はイヤイヤ感あったのに、お酒入ってとこの状況下におかれてどんどんおかしくなっていく。
ゲイリーがどこまでも飲みにこだわるのは中毒だからなのかな。それもあるけど、この中毒な原因もいまいち見えてこなかったり、1番の親友であったアンディとの過去、特に事故の話がそこまで明確にならなかったのも少しもやり。他の作品もそこまで中身はないけど、今作はより一層ない気がする。
テンポ感はかなり良いので飽きずに最後まで観れるけれど、何見せられるのだろうはずっとある。酔っ払いの話がいつの間にかSFに置き換えられるのだから。
シリーズの中心で朝コルネットアイスは一瞬だけ最後に包み紙が出てくる程度だったかな。
ちなみに邦題にある「世界を救う」は結果的に救ってはなく、むしろ崩壊させた一因になってる気がする。
とりん

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