社会の見えない競争やしがない毎日に疲れた人におすすめの作品。
まずこの映画のテーマにもなっている、実在していた雑誌「LIFE」のスローガンが良いです。
“To see the world, things dangerous to come to, to see behind walls, to draw closer, to find each other and to feel. That is the purpose of life.”
「世界を見よう、危険でも立ち向かおう、壁の裏側をのぞこう、もっと近づこう、お互いを知ろうそして感じよう。それが人生の目的だから」
主人公のウォルターは、ニューヨークの伝統ある雑誌社「LIFE」の写真管理部で16年働くベテラン社員。
不器用で人付き合いが苦手な上に、マッチングサイトのプロフィール欄に書き込むような体験談や経験談は何もない。
気になる女性に好意を伝えることもできず、理不尽で嫌味なボスに何も言えないウォルターの、毎日を無気力に淡々と生きる感覚、身に覚えありまくりです。。
変化のない単調な日々を過ごす彼の唯一の楽しみは、むなしい現実から逃避する刺激に満ちた空想をすること。
ある日、「LIFE誌」最終号の表紙を飾る大切な写真のネガがないことに気づいた彼は、一大決心をしてカメラマンを探す旅に出発します。
人生を諦めかけていたウォルターが、自分自身の可能性を見出し生き生きと変わっていく様子は、見る者すべてに勇気と希望を与えてくれます。
行ったことのない場所に行ってみること、見たことのない景色を見ること、会ったことのない人と話してみること、なんの代わり映えもしない日々や主人公の姿は私たちの姿に重なるからこそ、人生を変えるちょっとした「何か」を見つけるきっかけをくれる作品です。
私たちの人生だって彼と同じで、日常を少しでも離れれば冒険がいつだって始まっていくはず。
もちろん様々な問題が付きまとっていることでしょう。
それでも、凝り固まった自分の固定観念を真実だと思わず、広い広い世界を見渡し様々なLIFEを知り、自分らしく生きることができれば、それこそがLIFEの真髄なのだと思う。
自分が変われば決して今の日常も悪くないのかも?
それから人生の選択肢は思ってるよりも色々あるみたい。
何より、最終号の「LIFE」の表紙がとにかく泣かせます。
“この雑誌を作った人々に捧ぐ”というコピーのもと、そこに映っていたのは?
人生を諦めかけた全ての人におすすめの作品です。