すえ

ハンズ・アップ!のすえのレビュー・感想・評価

ハンズ・アップ!(2010年製作の映画)
4.5
記録

イスラーム映画祭にて。大阪から元町映画館まで足を伸ばした、素晴らしい劇場だった。同日に今泉監督が顔を出しに来ていたらしいがタイミングが合わずお目にかかれなかった。

ロマン・グービルという監督については毛ほどの知識もなかったが、素晴らしい監督だということは分かった。後に知ったが、なんとゴダールの助手をやっていたそう、そりゃ凄いわ。

画の古典性と内容の現代性の融合が成功している稀有な作品だと思う、片方の側面にもう片方が引っ張られそうにならない。俺みたいな阿呆が言うのもあれだけど、映画をよく知っている人が撮ったという感じがする。

特に照明の使い方が凄い、暗所のシーンの美しさは異常。構図もガチっと決まってる、壁(境界)という今作において重要なイメージを画に持ち込んでいる。だから当然、画面の強度もずっと高い。

子供の純粋さと世間・大人の複雑さが上手く対比的に描かれる、人間を描くのが本当に上手い。特に子供の描写が凄い、トリュフォーの『あこがれ』を想起させるような描写、いやぁ素晴らしい。

2024,109本目(劇場31本目) 4/27 元町映画館
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