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渇き。のmitzのレビュー・感想・評価

渇き。(2013年製作の映画)
4.0
中島哲也監督作品の最大の魅力である色鮮やかな「画力」がティーンズたちの無知で落ち着きがなくぶっ飛んだ稚拙さと、特に物語の中心となる可奈子の全能感を見事に引き出しています。またどこか欠落していて生きることに辟易とした大人たちの生ぬるく湿り気のある憂鬱さが、その若さと未熟さが同居した「渇き」を際立たせています。短絡的な物語の結末と回収されないままの伏線は気になりますが、「嫌われ松子の一生」同様にこの救いがない物語をエンターテイメントとして昇華させる技術は見事です。
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