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ウーマン ラブ ウーマンのtetsuのレビュー・感想・評価

ウーマン ラブ ウーマン(2000年製作の映画)
3.5
授業で一部を観賞後、気になっていたのでVHSを購入し、部室で鑑賞。

本作は3作品のオムニバス作品のため、それぞれのあらすじと感想をまとめていきます。

『1961年』
パートナーである女性を失ったおばあさんの悲劇。
オープニングでオードリーヘップバーンを主演にとらえた古典的同性愛映画『噂の二人』が登場。極端なまでにおばあさんの不幸が描かれる展開に違和感を感じなくもないが、だからこそ記憶から離れない一作だった。

『1972年』
ボーイッシュな女性に恋したレズビアン女性のラブ・ストーリー。
「ウーマンリブ」や「性役割」といった用語が多々登場するので、社会学部の自分としてはかなり興味深かった。
ボーイッシュな彼が自分の性別について悩んでいる描写が印象的で、この頃から「インターセクシュアル」(男女の間にある性別)や「自我同一性障害」(心と体の性別が分離してしまうこと)に悩む女性の葛藤が描かれていたことに、衝撃を受けた。

『2000年』
人工受精のために子作りに励む同性愛カップルのラブ・コメディ。
妊娠するため、人工受精後に逆立ちをするシーンが忘れられない一作だった。笑

というわけで、
時代の違う3組の女性たちを描いた本作。現在ではあまり流通していないことや、パッケージの両面が妖しげなデザインと煽り文句wになっていることで、少し手に取りづらい作品になっていますが、映画における女性(もしくは同性愛カップル)がどう描かれてきたのか興味のある人は、必見の一作でした。

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授業メモ

授業:メディアとジェンダー
題材:マイノリティとメディア
解説:時代を経るにつれて、社会における女性の立場は変わってきた。
本作で描かれるのは3つの時代における女性同士のカップルとそれを取り囲む環境の物語。授業では、その中から最初の1編を取り扱い、現在と過去でマイノリティに対する社会の反応がいかに変化したかを考えた。

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