仮想空間

ねじ式の仮想空間のレビュー・感想・評価

ねじ式(1998年製作の映画)
3.7
新文芸坐にて行われた特集「没後15年 天才にして職人 石井輝男・超映画術」最終日の上映ラインナップが『ゲンセンカン主人』とこれだった。
石井が東映から離れて久しく(しかも一度監督業から遠ざかっている)職人から天才に脱皮した時期の作品である。いやもはや後期・晩期とも言うべきか。
つげ義春原作ということでアングラ一色だろうなと思ったら、その通りだったし、しかもそれ以上のアングラ臭がした。
やりたいことをやってるなぁという印象。原作は未読なので忠実さについては判断しかねるが、どうやらかなり原作に沿った作りらしい。
なんともいえん、このいやらしさ。
ただ退屈な部分もあったかなぁと思ったしなんなら「ゲンセンカン主人」と内容がちょっと被ってないか?
逆を言えばつげの作家性が赤貧生活から生み出されたという無視できない確固たる事実が浮かび上がるのだが。
浅野忠信が良かったね。彼、なんでもできちゃう役者みたいです。
仮想空間

仮想空間