Ginga

くじらのまちのGingaのレビュー・感想・評価

くじらのまち(2012年製作の映画)
2.0
非常に分かりやすい構成だったと思うが、いかんせん現実味という点では全くの不足を感じる。ありふれたテーマだから、どう描き出すか、という点にしか評価点は存在しないが、とても満点の回答とは言えない。最後のシーンだけは間違いなく決まっていて、後どうしていく、みたいな流れで撮っていったのだと思うが、東京でわざわざ船に乗せるのは強引すぎるし、高校生だからってプールが似合うでしょ、みたいなのも浅はか。歩道橋で高低差を分かりやすく表現してくれるのはいいが、高低差を使う気が満々であるのならば、なぜクジラなのか?もっと全体の連なりを意識してほしいし、最初のプールと最後のプールもあからさますぎる。最低でも違う水のモチーフがよかった。むしろこう社会で生きていくことを学ぶ、という点では最初はトモヒコ、最後はホタルくらい大きな変化をつけてもいいと思う。間違いなくそれでも伝わるし、この物語においてトモヒコもホタルも脇役でしかないんだからもっと大胆に攻めるべきだった。
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