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海の沈黙のkazu1961のレビュー・感想・評価

海の沈黙(1947年製作の映画)
4.3
🔸Film Diary🔸
▪️本年鑑賞数 :2021-707
▪️死ぬまでに観たい映画1001本-※※※

🖋2010年に初めて日本で公開されたんですよね。とても素晴らしいフレンチ・フィルム・ノワールです。戦争の映像が全くなく、またナレーションを除いて台詞はドイツ将校のほぼ1人、これで反戦を謳いあげる、そのオリジリティに満ち溢れたアイデアがほんと素晴らしいです!!

🖋ドイツ占領下のフランス、一つ屋根の下で暮らすことになったフランス人の老人と姪、そしてドイツ将校の3人が織りなす複雑な心理劇、その心情が全て伝わってく心理描写が圧巻です。静かで美しい陰影の強いモノクロ映像の中かに秘められたそれぞれの熱い想いや葛藤がリアルに伝わってきます。

🖋本作は、フランスの名匠ジャン=ピエール・メルヴィル監督の長編デビュー作です。ヌーヴェル・ヴァーグに多大な影響を与えたと言われる作品なんですね。原作はヴェルコールによるフランス・レジスタンス文学を代表する傑作で1941年に刊行されたこと自体がほんと勇気がいったことだと思います。

🖋出演者もほぼ3人、当時34歳のジャン=マリー・ロバンが寡黙で意志の強い老人を、そしてハワード・ヴァーノンが理知的で実直な将校を、ニコール・ステファーヌが清廉で将校に淡い想いを抱く姪をそれぞれ三者三様に見事に演じています。

🖋静けさからラストの心の慟哭へと展開していくそのプロットはとても素晴らしいです。反戦映画の傑作かもしれません!!

😊Story:(参考:yahoo movies )
※※※

🔸Database🔸
・邦題 :『海の沈黙』
・原題 :『Le Silence de la Mer』
・製作国 : フランス
・初公開 : 1947
・日本公開 : 2010/02/20
・上映時間 : 86分
・受賞 : ※※※
・監督 : ジャン=ピエール・メルヴィル
・脚本 : ジャン=ピエール・メルヴィル
・原作 : ヴェルコール
・撮影 : アンリ・ドカエ
・音楽 : エドガー・ビショフ
・出演 : ニコール・ステファーヌ、ハワード・ヴァーノン、ジャン=マリー・ロバン

🔸Overview (参考:映画. com)🔸
「ギャング」「仁義」などの傑作フィルムノワールで知られるジャン=ピエール・メルビル監督がベルコール原作の同名小説を映画化した長編デビュー作。1941年、ドイツ占領下のフランス地方都市。一人の老人とその姪が暮らす家に独軍将校ベルナーが同居することに。彼はフランス文化に造詣が深い作曲家で、独仏の文化的融和を2人に説くが……。巨匠メルビルが被占領下での人間の誇りを描いた戦争ドラマ。日本では2010年2月にデジタルリマスター版で劇場初公開。
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