爆裂BOX

ヘンゼルとグレーテル おそろし森の魔女の爆裂BOXのレビュー・感想・評価

3.4
ゲームオタクで変人のヘンゼルとパン屋で働くしっかり者のグレーテルの兄妹はある夜森で迷ってパン屋の女主人の家に辿り着く。しかし彼女は魔女だった…というストーリー。
アサイラム社が「ヘンゼル&グレーテル」に便乗して製作したダークファンタジー・ホラーです。監督はこの後「シャークネード」シリーズを手掛けヒットさせるアンソニー・C・フェランテです。
主人公のヘンゼルとグレーテルですが、こちらのヘンゼルは本当にダメ人間です。ゲームばっかりして大学にもいかず、父親が再婚して旅行に行くという話を聞いて自分達を見捨てるのかとキレたりと身勝手で幼稚です。後半は罠仕掛けたり役に立ちますが。でも最後まであんまり大した活躍や成長見せたりしなかったな。反対にグレーテルの方はパン屋で働いて兄の面倒もちゃんと見るしっかり者です。監禁されても魔女たちに結構反撃して強い所見せてくれます。
魔女役は「E.T.」の母親役や「ハウリング」等のホラー映画への出演が多いディー・ウォーレスです。最初の優しい女主人から一転魔女の正体を現してからの怪演ぶりは素晴らしいですね。魔女なんだけど魔法を使う事は殆どなく刃物などで攻撃するので彼女の不気味な二人の息子と併せて全体的に「テキサス・チェーンソー」や「クライモリ」の様な田舎ホラーの雰囲気が漂っています。
ゴア描写も中々意外とあります。ヘンゼルが幻覚の中で自分の体を貪り喰うシーンは中々きつかったです。解放骨折のシーンとかも痛々しいですね。
矢を受けながらも脱出した若者を保安官が撥ねてしまうシーンは酷過ぎて笑ってしまいました。
先に捕まっていた若者の一人であるジェーンはヘンゼル達脱出させるためにわざと抵抗して時間稼いだり、ボコられたりしながらも結構頑張っていたのであのアッサリした最後は残念。生き残って欲しかった。父親の再婚相手であるルビーは原作の母親と違ってグレーテルとヒドイ言い方してきたヘンゼルの事も心配して真剣に探してるいい人でしたね。それだけにこっちもアッサリした死に方でちょっとビックリ。
中盤からは逃げたり捕まったりの繰り返しでダラダラした感じもありますが、他のアサイラム作品と比べるとまだましかな。
迷わずに森から脱出する方法や魔女の最期等は原作通りですね。
ラストのオチは血で契約しちゃったからでしょうかね。それよりもお父さんの方にビックリしたけど。タフすぎでしょう(笑)
アサイラム社製作の便乗映画の中では楽しめる部類ではないでしょうか。