生永這人

ディス/コネクトの生永這人のレビュー・感想・評価

ディス/コネクト(2012年製作の映画)
3.7
SNSが当たり前になって久しい現代にとって、個人の情報は日々ネット海に蔓延っています。
もちろん、人と人とをつなぐ役目も担ってはいますが、そこに闇は潜むもの。本作は、事件となっている現代特有の現象に対し、分かりやすく警鐘を鳴らすと同時に、事件の「原因」を描き出しています。
セクスティング(リベンジ・ポルノ)などが原因で人生に狂いが生じるニュースと無縁の人はたくさん居るでしょうが、実はその中核的な「原因」はその行為自体ではなく「ディスコネクト」にある、という主張を真っ向から否定できる人は・・・?

今ではSNSの存在意義は多様化し、Facebookの「あなたは誰かのともだち」のように、人生の「補完」から「拡張」へと変遷していきました。
SNSが有するコネクションを求めて孤独を癒すという役目は忘れ去られ、SNSシステム自体に引きづり回されているような感覚を払拭できずにいます。
そんな時代に、本作はどのようなメッセージを残すのでしょう。いまいちど考えてみたいところです。


構成面で関心するのは、三つのストーリーが直接クロスはせず、しかし根幹で「つながっている」というもの。
それぞれの主人公が一つの場に集まることなく、別々の場所でクライマックスを迎える描写は、スローモーションによって、メッセージ性に深みをもたらします。
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