予算いくらだったんだろう…という愚問が真っ先に思い浮かぶほどの豪華絢爛さ。絶対に良い作品を作り上げてやるという執念が感じられてよかった。ジョン・ローンの美しさと溥儀の空虚さが苦しかった。
昔日本史の授業で記号的に覚えただけの溥儀がこんな人生を送っていたことを恥ずかしながら全く知らなかった。ずっと「扉を開けろ」と言い続ける人生だったのだな。ずっと出ることを禁じられた紫禁城を初めて出る時は追放で、晩年に戻ってきたら立ち入り禁止になっているという皮肉。「皇帝？証拠は？」という問いは自分1人では証明出来ないんだなぁ。「扉を開けろ」も「皇帝？証拠は？」も幼少期と晩年で意味合いを変えて使われていたのがうまかった。坂本龍一の音楽はどうしてこんなに心を打つんだろう。
