碧翠

ラストエンペラーの碧翠のレビュー・感想・評価

ラストエンペラー(1987年製作の映画)
4.0
清朝最後の第12代皇帝
愛新覚羅溥儀の自伝「わが半生」をベースに(監督の美意識が入ってると思うので史実とは異なる)思想が偏る事無く溥儀の人生を淡々と描いてゆく
中国語のタイトルは「末代皇帝」らしくこれ程 腑に落ちる呼び名はないと思った

西太后崩御から始まり紫禁城に軟禁
帝師 レオナルド・ジョンストンとの出会い
北京政変により紫禁城から追い出され英大使館に庇護を求めるが大使館はこれを拒絶
天津の日本租界に転居
忍び寄る大日本帝国陸軍
やがて溥儀は己の出自である満州国の元首になるのであった…

歴史のうねりの中
皇帝に産まれたのは幸か不幸か
動乱の中国 飢えて死ぬ者も多かったろう
皇帝は飢えることは無いが自由はなく傀儡であった

ラストシーンは完全に監督の美学が詰め込まれていたろう
こういう終わり方は好きだ

欧米初の紫禁城での撮影は困難を極め、撮影許可は降りたが照明も三脚も使えなかったそう
しかし逆に仄暗いシーンがインパクトを与えたと思う
実に2500人ものエキストラを使うシーンを一日の撮影で終わらせなければならなかった

紫禁城での撮影許可、大量のエキストラ
CGを使わないスペクタクル時代劇
見る価値は大いにあると思う
碧翠

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