ぽこぽこた観測所

ラストエンペラーのぽこぽこた観測所のレビュー・感想・評価

ラストエンペラー(1987年製作の映画)
4.5
往々にして、歴史映画は史実をそのまま語らないうえ、影響力が大きい作品だと、人物のイメージがそのまま歴史上の人物に投影されるのはあるあるだと思う。(司馬遼太郎作品とか。私がミーハーこの上ないため?)
その点、溥儀の名誉のためにも意識して区別したい。映画は映画。歴史は歴史。
そしてこの映画において溥儀は、良くも悪くも普通の人だったんだなという感想です。
具体的には、
「皇帝」という単語への健気なほどの執着や、死なないためなら割と情けない嘘をつくかんじ。私も絶対そうなるし、彼の極端な養育環境を思えば全く批判することではない。
ただ悲しいくらい、この時代の、中華というでっかい国の皇帝の器ではなかったかなーと思いました。
映画だと溥儀はとっても美形で、それゆえにポンコツが目立つなとも思いました。坂本龍一とお顔似てる??

また、映画では言及されていないが、弟の溥傑はわりと幸せな人生を過ごしたと思う。このことを考えると、やはり王や天皇、トップとして生まれる立場は楽なものではないと思いました。

パンピーでよかったあー。viva la vivaもうこの映画のテーマ曲でいいとおもう。最後は溥儀が赤さんだった頃を思い出して泣けました。