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ラストエンペラーのlinenのレビュー・感想・評価

ラストエンペラー(1987年製作の映画)
3.3
清国最後の皇帝、溥儀の波瀾万丈な人生を描いた作品ですが、政争などを描く歴史的な大河ドラマというより、もっと溥儀個人にスポットライトを寄せた映画ですね
そのため歴史的背景などの説明があまりないので、話の流れを掴みたい人は、事前に溥儀の経歴とその周辺の時代の中国史を軽く学んでおいた方がいいと思います。私は事前に予習していたので、「あ!ここ進研◯ミでやったところだ!」感覚で、歴史物、として見ることができました。

前半は、紫禁城をロケに、映画の潤沢な予算を全て注ぎ込んだかのような、あまりにも煌びやかでオリエンタルな映像作りに惚れ惚れとします。とにかく美術が素晴らしい。
後半、溥儀は紫禁城を追い出され、天津、満洲など転々としますが、前半と打って変わって画作りが地味で、あまり鑑賞者を惹きつける要素がありません。なのでここで歴史を知っておくと、物語の次へのステップが期待できるので、予習しておくといい、と思いました。

個人的には、日本の傀儡となった溥儀、中国の戦犯として刑務所暮らしする溥儀にもっと憐れみの要素が欲しかったなと思いました(その要素は盛り込まれていますが、もう少し強めのが欲しかった)
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