SSDD

フローズン・グラウンドのSSDDのレビュー・感想・評価

フローズン・グラウンド(2013年製作の映画)
3.5
■概要
行方不明者となっている女性の死体が熊に掘り返され見つけられる、死体は後ろから撃たれ刃物による裂傷も見られ狩りのように殺されていた…。

街ではある少女が監禁先から逃げてきたと訴える…。

ある刑事は家族のために転職をしようとしていたが、捜査に駆り出される…。

様々な広範囲で行方不明者の遺体が発見され始め、メディアも騒ぎ始める…。

■感想(ネタバレなし)
ジャケットの通り名優ニコラス・ケイジとジョン・キューザックが主演となる重厚なサスペンス。
それだけで前情報はいらない。

兎角重苦しく寒く凍った地で陰湿かつ狡猾な殺人犯を探し出すために躍動する刑事達と、ドラック・娼婦・銃が蔓延した世界で地を這うような生き方をしている女性達を描き出している。

かなりハードな作品でドライで思うように進まない物事や心情をしっかり描かれているが、ゴア表現や不快指数は低めにされている安心設計。

サスペンスが好きなら観て損はないクオリティですね。
















■感想(ネタバレあり)
・カタキ役
前情報なしで観たのでジョン・キューザックがこの感じだと殺人犯か…とまず想像してなくて、ニコラス・ケイジとのバディか検事と警察とかなのかと想像していたので驚いたのだが、サイコで目の死んだ役柄があまりにもハマり役で知能犯としてのキューザックが観れたのは満足。

・実在する事件がモチーフ
エンドロールで知るのは衝撃的。
初めになんとか逃げ延びた女性シンディに事件性を取り合わなかったこと、刑事を無視して事件を上にあげた警官の存在などからそもそも現実とは思いたくない。

元の事件を調べてみると犯人は元々窃盗や暴行などで逮捕歴もある人間のため、何故初めにシンディの証言をしっかり取り合わなかったのか不明。パン屋と娼婦と職業的偏見があったのは間違いはないだろう。

17人以上殺害して失敗は一度という成功率や、悪天候でも証拠を捨てるために飛び去ったという悪運の強さ(映画的演出かもしれない)がこの異常者の強みとしか思えない。

刑事の執念で姉妹の絆であるブレスレットで証拠を全部掴んだようにミスディレクションを誘導してから、シンディを登場させボロを出させた手腕は素晴らしい。
家族の理解も得て転職せずに刑事を全うしたことも本当に天職だったのだと思う。
SSDD

SSDD