千年女優

ウルフ・オブ・ウォールストリートの千年女優のレビュー・感想・評価

5.0
ウォール街の投資銀行に入社して一攫千金を夢見るも、世界的株価暴落ブラックマンデーで倒産の憂き目にあったジョーダン・ベルフォート。しかしそこで得たノウハウと野心から瞬く間にのし上がり、金にセックスにドラッグと欲望にまみれた彼の人生の浮き沈みをレオナルド・ディカプリオ主演で描くマーティン・スコセッシ監督作品です。

最高にエキサイトさせる作品で、スコセッシが『グッドフェローズ』で確立したせわしないビートに伸びやかなエモーションを乗せて型破りなヤバい人生を描く物語と、『アビエイター』からさらに厚みを増したディカプリオの怪演とが見事なアンサンブルを奏で、抜群のリズムとメロディーを併せ持つ極上のハードコアへと仕上がっています。

虚実入り混じる口八丁で成り上がり、金にまみれ酒に呑まれドラッグに浸かりセックスに溺れる。そんな背徳尽くしの裸一貫での快楽絶対主義には共感という域を超えた力強い吸引力があります。個人のものであるが故に誰にも文句など言われる筋合いのない「生き様」と、そうは言っても縛られざるを得ない社会の掟がスパークする一作です。
千年女優

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