ひのらんげ

ウルフ・オブ・ウォールストリートのひのらんげのレビュー・感想・評価

3.0
私の嫌いなタイプの人間を濃縮して煮締めたような3時間。

ウォール街の大手証券会社で下積みの苦労を味わい、いよいよ株のブローカーの資格を取って稼ぎまくるぞと鼻息を荒くした初日が1987年のブラックマンデーのその日だったという不運の青年「ベルフォート」。会社を追いやられ、失意の中で見た新聞に、ブローカーとしての求人広告を見つける。
フェルフォートはその小さな証券会社に就き、ペニー株という少額(そしてクズ株)を荒唐無稽なセールストークで売りまくる才能を証明し、その実績を引っさげて独立。仲間をつくってウォール街にカムバックする。

ベルフォートはウォール街の狼になれるのか。はたまた。

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世の中に実は良貨なんてなく、あるのは悪貨で、その程度があるだけ。そう思っている。この映画ではその悪貨の程度をどのように認識するかで面白さが変わる映画。

私は「すごい人がいたんだなぁ」とか、「やっぱ金持ちはいいよな」とかそういうふうには全然思えず、ただただ嫌悪感丸出しの表情で睨みつけながら観てました。笑。
(もちろん証券等の金融行為または金融機関を批評するつもりはありません。必要な業種・業態です)

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一度味わった快楽を人はだれでもその量も質も記憶に居座らせる。さらには美化して誇張する。問題はこのあと。これにとらまえられていつまでも破天荒で破滅的な振る舞いをするようになれば、それは後天的な”障害”だ。
否定しても、否定しても、最後に行き着く先が事後証明する。

人の良い悪いは区別しなくて良いけど、私主観の好き嫌いは判別して良いと思う。その観点ではやっぱりこういう人は嫌い。自己中心的、人の話を聞かない、誇張する、強自己顕示、ごまかし。

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この映画を観終わって、改めて世の中を”本当に”動かしているのは内向的な人であると確信する。そうであるはずだ。と私は信じている。もちろん派手な人生も良いけど、それだけでは世界は回らない。
一見すると、金銭的に豊かで人脈広く楽しそうにしていることが「良い人生」だと定義されがちだが、改て良い人生とは?良貨とは?と考える機会になりました。
ひのらんげ

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