ダイナ

ウルフ・オブ・ウォールストリートのダイナのレビュー・感想・評価

4.4
ウォール街で富と名誉を犯罪まみれの手で掴み取った実在ブローカー「ジョーダン・ベルフォート」の自叙伝にスコセッシが惚れ込み、ディカプリオを主役に携えた超大作。

180分とかなげーよと期待半分項垂れ半分といった気持ちで鑑賞に臨むも、十数分でハートを捕まれる面白さ。嬉しいのはテンポ感の良さでして、言うなればシティオブゴッドのようなサクサク進行。たまーにSNSの短い動画で体育会系の会社の飲み会ノリみたいな動画がバズった時の「やべーなこいつら」の感じを100倍ドーピングしたような内容でまさしく酒池肉林。馬鹿程の大金で制作されたポルノ映画といってもあながち間違いではないと言っていい乱交描写にラリラリでハイにイカれた中毒描写はR指定も納得。ジョナヒルのいけすかないダチ感もいいけどやはりディカプリオ!若い頃のハンサム感が惜しくないほどの中年男性俳優としての大柄で下品な立ち回りの熟成具合が素晴らしいです。

クソ株を売りつけながらセックス&ドラッグに溺れる人間達の狂乱がノリのいいナンバーに乗って映されるわけで、確かに不快ではあるものの見てて気持ちがいいほどの清々しい欲望への齧り付き具合、人間の強力な生命力というものがもうビンビン輝かしくて、脂の乗った栄光と波瀾万丈な転覆具合にパーソナルな悲哀、結局スコセッシは人間を映すのが上手いってお話!長尺は尻込み要素ではあるとは思いますが本作はオススメです。
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