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バックコーラスの歌姫たちのKeNのレビュー・感想・評価

バックコーラスの歌姫たち(2013年製作の映画)
3.8
Amazon Prime Videoにて。初見。

「人間の声は最も純粋な表現法だ。心も才能も肉体も関係ない。楽器でごまかした音じゃないから純粋で感覚的なものとして響くんだ。」by ビル・マックスウェル

「子供の頃 シレルズやアレサ・フランクリンやディオンヌ・ワーウィックらのレコードを買ってた。でも、聴いて耳に残るのはバックコーラスの歌声だった。」by ルーサ・ヴァンドロス

フィル・スペクターによってクリスタルズの“ゴーストシンガー”にされたダーレン・ラブをはじめ、レイ・チャールズのバックコーラス・グループ レイレッツで活躍したメリー・クレイトン、そしてルーサ・ヴァンドロスやローリング・ストーンズらのバックコーラスとして活躍したリサ・フィッシャー…などなど、トップアーティストたちを影で支えてきた“売れっ子”のバックシンガーたちにスポットライトを当てたドキュメンタリー作品。
自身もいつかはトップアーティストにという夢を抱きつつ、トップアーティストのレコーディングやステージを影で支え続ける中で、様々な葛藤や挫折などを味わいつつも成功した者、また途中でその夢に打ち砕かれた者たちのシンガーたちの人生が、当時の映像や本人たちやスティービー・ワンダーやスティングらのインタビューを交え描かれていて、なかなか見応えある作品だった。
シンガーとしての才能からするとトップアーティストたちと寸分違わぬ素質を持っていながら、トップと“裏方”とを分け隔てる境界線はやはり運なのかなぁ…? もちろん歌が上手いだけのシンガーなら世界中 無数にいるわけで、この世界で生き残れるか否かはやはりソングライターとしての才能の有無こそが最も大きく左右するのだろうけど。ホントに厳しい世界だよなぁ。
しかし、リサ・フィッシャーの歌声はまさに“ソウル=魂”そのもの
でホントに心揺さぶる。あと「そっちかい!」と突っ込まれそうだけど、デビッド・ボウイの『ヤング・アメリカン』はやっぱり凄いアルバムだよなぁと改めて実感…(笑)

さてさて今週末もSpotifyで、このバックコーラスの歌姫たち同様にあまり陽の目をみることなかった無名なノーザン・ソウルのシンガーたちの歌声を掻き集めるかな♪
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