カナノシ

銀の匙 Silver Spoonのカナノシのレビュー・感想・評価

銀の匙 Silver Spoon(2013年製作の映画)
4.0
進学校での学力競争に疲弊し、また伸び悩む成績に父親からは落胆の声。疲れ果て茫然自失のまま日々を過ごす少年、八軒勇吾。
見かねた進路指導教諭から、とある農業高校を勧められる。
全寮制だというその高校に、家庭でのストレスから逃げ出すため入学を決める八軒だった。
初めて触れる農業の世界は過酷で、しかし新鮮なものだった。

経済動物として触れる生命に、そしてこの競争社会に生きるものとして、自身を重ね悩み考え始める八軒。

彼は、答えを出すことが出来るのだろうかーーーな話。

原作めちゃめちゃ好きだから敬遠してたけど、完結して時間も経ったからそろそろ良いかなと視聴。
原作の前半の一エピソードを中心に見事に実写化。
尺の問題もありダイジェストのような部分は若干ありつつも、いくつかのシーンやキャラクターを上手く統廃合して綺麗に「銀の匙」を再現していた。

農、主に本作では酪農・畜産に関する苦悩や過酷さ等が描かれているがメインは八軒やその周りの人物の「農にまつわる」将来の悩みについてであろう。なので青春映画に値するんじゃないかなと。意外とパッケージから感じるコメディみは無かった、それが逆に良かったなと。

あとまったく意識していなかったので、校長役で上島竜兵が出てタイムリーで驚いた。別の感慨が湧いてきた。

さて。
邦画で実写化と言う今や何故か視聴するのに一瞬の躊躇いが出てしまうジャンルではあるものの、本作は面白くて「また原作読み返すか」ってなってしまった。今夜は徹夜かもしれない。

逃げたい時は逃げても良い。たまには甘えても良い。ほろ苦い甘さ。北海道銘菓ホリのとうきびチョコキャラメルの如し。
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