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武器人間のtigerpantsのレビュー・感想・評価

武器人間(2013年製作の映画)
3.0
第二次世界大戦末期、敗色濃厚なナチスドイツが手を染めたさらなる悪魔の所業。それは死体に機械を合成して造り上げた禁断の<武器人間>軍団の製造。

腕や足、頭部に様々な武器が装着されたグロテスクな不死身の部隊、奴らはただ人間を殺戮するためだけに作られた究極の最終兵器だった…。


「非道なナチスドイツのやることは、どんなにえげつなくても構わないんだ!」という〝ナチスプロイテーション〟精神に則った怪作…なんだけど、実際に〝ひどい〟のは、ナチスじゃなくてマッドサイエンティストなんじゃないの…?

もちろんウリは「死体と武器を合成して造りあげた、禁断の《武器人間》軍団!」なのだけど、それらが出てくるまでの〝かったるさ〟と来たら……POVを採用した「ファウンド・フッテージもの」の一種とはいえ、画面もガクガクだし、何よりも戦場場面が全然「戦場らしく」ない! そのへんの原っぱを行進してる、としか思えない。

なので、散々じらされた挙句の《武器人間》登場には喝采を叫んだものの……なんか、色々な種類が出てくる割りに、それらの活躍が、あまり目立たない(何ならば各タイプの特徴とかをしっかり説明する前に殺されたりバラバラにされたりするので、なんとも〝華がない〟)。

いや……適度にスチームパンク的であり、スプラッタ的でもある造形は、それなりの訴求力があるのだけど、しっかりと見せ場を作ってあげないので、出オチみたいで、もったいない。かの『チェンソーマン』の武器の悪魔たちにも影響を与えている(と思しい)だけに、モンスターたちの活躍の場面が、もう少し観たかったのが正直なところ。
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