sunflower

ぼくたちの家族のsunflowerのレビュー・感想・評価

ぼくたちの家族(2013年製作の映画)
4.4
母親の病をきっかけに、バラバラになった家族の心がまた一つになる。

と書けば、なんだかどこにでもある家族再生物語のようにも聞こえますかね。

でも、じっくり丁寧に細かく細かく描写される心の機微なんかがとても繊細で、どっぷりこの家族に没入できたんですよね、不思議と。

正直に書くと、前半は「なぜこの作品に池松壮亮さんが出てるんだ???」と、?マークが頭の中を埋める程、"池松壮亮さんの無駄遣い感"が気になったのですが、あるシーン以降、「あぁ、この役は池松壮亮さんにしか無理だよね...。この役に池松壮亮さんを起用した監督は、流石!」と、至極納得したんですよね。

池松壮亮さん演じる次男が、初めて、そして唯一、感情を抑え切れなくなって涙を流すシーン。

そうだよね。飄々と器用に平気そうに振る舞ってはいても、そりゃ〜、心配で心配で心が張り裂けそうだったよね。ず〜っと、あなたは我慢していたんだよね。

そう声を掛けて背中をさすってあげたくなるような、震える後ろ姿。


妻夫木聡さんや原田美枝子さんの演技も素晴らしいのですが、この作品を支えているのはやっぱり池松壮亮さんだと、そう思ったのでした。
sunflower

sunflower